こんにちは。院長の舟木です。令和5年5月8日(月)から新型コロナウイルス感染症が現在の2類感染症から5類感染症へ変更となります。これでひとまずのコロナ禍は終わりとなります。5類に変更が可能になったのは、オミクロン株になってからは感染しても重症化する人が大幅に減ったため、通常の風邪やインフルエンザと同様に取扱ができると国が判断したからです。つまり、新型コロナウイルス感染症はデルタ株が流行していた頃のように何の基礎疾患もない健常人が重症化して入院してしまうような恐ろしい感染症では無くなったのです。平たく申し上げますと、「感染力の異常に高い普通の風邪」という認識で問題ないと私は考えています。
この変更に伴い、何がどう変わるのかについてポイントを3つに絞ってご説明いたします。
①療養期間はどう変わるのか?
現在は感染者は7日間の療養が感染症法で義務付けられていましたが、変更後は義務ではなく推奨となり、療養推奨期間が5日間、かつ、解熱して24時間以上経過していることになります。つまり感染しても自宅療養を行うかどうかは個人の自由となります。だれも強制できなくなるわけです。ただし、他人に感染させてしまう病気ですから、社会生活をおくるに際し、ある程度の配慮はあってしかるべきと個人的には思っています。
②治療や検査にかかる費用はどうなるのか?
現在は新型コロナウイルス感染症と診断するための検査(抗原検査、PCR検査など)と診断された後からの治療費は公費負担(自己負担0)となっておりますが、変更後は通常の保険診療となりますので、各人の負担割合に応じた自己負担が必要となります。
具体的には発熱外来を受診された場合の3割負担の方の費用は診察代+検査代で以下の通りとなります。ここにお薬代(3割負担で500~1000円)が追加となります。2割、1割負担の方はその2/3、1/3となります。
コロナ・インフルエンザ療法の抗原検査を行った場合:2,660円
コロナの抗原検査のみを行った場合:2,300円
インフルエンザの抗原検査のみを行った場合:1810円
ただし、重症化リスクのある方などに対する新型コロナウイルス治療薬(ラゲブリオ、パキロビッド、ゾコーバなど)は大変高額ですので薬代のみ公費負担(自己負担0)となります。
③医療機関の発熱外来はどうなるのか?
これは各医療機関によって異なりますが、以下当院での発熱外来の方針についてご説明いたします。
まず、新型コロナウイルス自体はまだ地球上から消えたわけではないですし、大きな変異を起こさない限り性質も何も変わらないわけですがら、引き続き認識としては、「感染力の異常に高い普通の風邪」であることに変わりはありません。
よって、我々医療機関には基礎疾患を有する高齢の方が多く来院されますので、やはり発熱者と空間を共にすることは避けなければいけません。発熱・風邪症状で満員の待合室に突然来院されると院内感染のリスクが高まります。以上より、引き続き発熱外来は原則予約制となり、院内が空いてきた時間帯での屋内別室診療、又は、屋外での診療を継続していく事になります。また、引き続き医療機関によっては受け入れ可能なキャパがありますので、流行期には対応ができなくなる可能性があります。
以上、ポイントを絞って書いてみました。
参考になれば幸いです。
監修・文責 日本内科学会 総合内科専門医 舟木 準