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コロナワクチン3回目接種についてのまとめ

こんにちは。院長の舟木です。

新型コロナウイルスのオミクロン株の流行もピークアウトしたようですが、現在も当院ではコロナワクチン3回目の接種(ブースター接種)をしています。以下に、ブースター接種についてまとめてみましたので一読をお願いいたします。

目次

3回目接種に使用されるワクチンは?

3回目接種で使用されるワクチンはファイザー社武田/モデルナ社のワクチンの2種類です。

現在、3回目接種に対して岸田内閣が準備したワクチンは、2種類のワクチン合わせて対象者の72%分となっており、ファイザー社 45%、武田/モデルナ社 27%の比率です。つまり全員分は現時点では調達出来ていない状況です!!!

我々医療機関に配給されるワクチンもその比率で行われますので、全員にファイザー社のワクチンが接種出来るわけではありません。

また京都市の場合は集団接種は全て武田/モデルナ社のワクチンが使用されます。

3回とも同じワクチンでないといけない?

ここで、多くの方が心配されるのは、「自分は2回目まではファイザー社のワクチンだったのに、3回目は武田/モデルナ社のワクチンで大丈夫なのか?」ということでしょう。

これは、結論から申し上げますと全く心配要りません!!!

むしろ、1,2回目と違うワクチンを打った方が、副反応は軽く、かつ、獲得できる抗体価が多くなるのです!!!(以下の参考資料参照)

参考資料

私は医療従事者枠で3回ともファイザー社を打ちましたが、3回目は微熱・倦怠感が1,2回目よりも強かったです。このデータを見るに、3回目はモデルナを打ちたかったなと思いました。(選択の余地はなかったのですが、、、)

3回目の接種の効果は?

3回目接種の効果に関しては、対デルタ株オミクロン株で分けて考える必要があります。

①まず、デルタ株に対してですが、3回目接種を行う事で引き続き高い発症抑制、重症化予防効果が確認されています。イスラエルのデータですが、ファイザーワクチンの3回目接種による入院予防効果は93%、重症化予防効果は92%、死亡に対する予防効果は81%と言われています。

また、60歳以上の高齢者において3回目接種を受けた場合、追加接種を受けなかった場合と比較して、感染者の発生率が11.3分の1、重症症例の発生率が19.5分の1であったという報告があり、高齢者においては3回目接種を受けるメリットが受けないメリットよりも大幅に大きいと考えられます。

②では、最近流行の主流となったオミクロン株に対してですが、残念ながらデルタ株に対する効果よりも低下することが知られています。これは、ウイルスも免疫逃避という進化を遂げますので、致し方ない部分があります。特に2回の接種だけでは、20週経過すると発症予防効果は10%程度にまで低下してしまうのです。ここで、3回目を接種することで、接種後15週までは約70%程度までの発症予防効果が回復することが報告されています。ただ、残念ながら3回目接種をしても15週を経過すると発症予防効果は30%にまで低下してしまう事が言われています。

じゃあ、3回目を打つ意味はあるの?

結論から申し上げます。3回目接種を打つ意味は、有ります。

そもそも、新型コロナウイルス感染症は世に現れてから2年程度しか経っていない、まだまだ未知の部分が沢山有るウイルスなのです。最近では、コロナ感染後に倦怠感がとれない、気分が落ち込む、微熱が続く、抜け毛が多い、味覚・嗅覚が改善しない等のコロナ後遺症の患者さんが増えています。今後、新たな後遺症が報告される可能性もあります。

よって、少しでも感染するリスクを減らしておく必要があると、私は考えています。勿論、ワクチンも今後の長期観察で何かしらの不都合が報告される可能性もありますが、結局のところ、コロナ後遺症とワクチン後遺症(現時点では殆ど報告がありません!!!)のどちらが確立が高く危険なのかを天秤にかけなければ、議論は成立しません。コロナ後遺症のリスクを棚に上げて、「ワクチンは危険だーーー」とか言っていても意味が無いのです。

新型コロナワクチンは任意の予防接種であり、強制されるものでは有りませんが、人類が築き上げた科学的根拠に基づいて判断することが大切です。

皆さんが正しい情報を取得され、正しい判断をされる一助になれば幸いです。

監修・文責  日本内科学会 総合内科専門医 舟木 準

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