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新型コロナウイルスの検査ってどうするの?

2020年11月19日加筆しアップデートしました!!!

こんにちは。日本内科学会認定医・総合内科専門医の舟木です。

新型コロナウイルス感染症の第三波が日本全国を襲っています。京都市も例外ではありません。

今の時期に熱がでると、自分はコロナなのではないか?家族やまわりの人にうつしてしまうのではないか?と心配になりますよね。

目次

新型コロナウイルス感染症の検査とは?

現在、新型コロナウイルス感染症かを判断する検査には以下の方法があります。

①PCR検査 ②抗原検査 ③抗体検査

また検体採取方法としては、

A:鼻咽頭ぬぐい液、B:唾液、C:血液、D:鼻腔ぬぐい液

の4通りがあります。

Aの採取はエアロゾルが発生するため感染のリスクが高く、N95マスクを常備している限られた医療機関でしか施行出来ません。よって、最近Dが追加されました!!!鼻腔ぬぐい液は医師の監視の下、患者さんが自己採取できるため、ウイルスの曝露無しに検体が採取出来るようになったのです。

それでは上記の検査について簡単に説明します。

①PCR検査

この検査は鼻咽頭ぬぐい液、または唾液を採取し検査に出します。ただし唾液を利用する場合は発症から9日以内であることが条件となります。

この方法はウイルスの遺伝子を増幅させて検出する検査であり、増幅させるのに時間がかかります。よって、検体を提出してから結果が帰ってくるのに1~2日かかります。

また、新型コロナウイルスに感染している人10人にこの検査を行っても7人にしか陽性反応がでないのです。あとの3人は感染しているのに陰性と出ます。こういった、病気にかかっている人を見つける精度みたいなものを感度と呼んでいて、PCR検査の感度は70%ぐらいと言われています。

ここが非常に重要で、よく「陰性証明をもらってこい!」と職場から言われましたと来院されますが、感度70%の検査を1回して陰性と出ただけでは到底陰性とは証明出来ません!!!

陽性と出れば、ほぼ感染は間違いないのですが、陰性と出ても感染している可能性はあるのです。

PCR検査で陰性であっても、「すぐに人と接触してはいけない、発症から10日間の自主隔離が必要」とされるのはこのためです。ここが、本当に重要なポイントとなります。

②抗原検査

この検査は鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔拭い液、または唾液を採取し検査に出しますが、唾液による検査は発症9日以内が条件であり、かつ、特殊な機械が必要であり、現時点では非常に限られた施設でしか施行できません。

よって現実的には鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液を採取する必要があり、鼻咽頭ぬぐい液はウイルス暴露の危険が高く一般診療所で気楽にできる検査ではなかったのですが、最近鼻腔ぬぐい液でも発症2日から9日の間であれば検査可能となりました!!!よって、一般のクリニックでもコロナ抗原検査が安全に施行できるようになったのです!!!

この検査の利点は感度は未だ不明(PCRよりも低いと言われている)なものの、結果がでるのに15~30分しかかからないという点です。また、陽性とでれば新型コロナウイルス感染症であると診断可能になっています。陰性と出た場合は偽陰性の可能性がありますので、やはり唾液PCR検査を追加するなどの慎重な対応が必要となります。

PCR検査と同様に陰性の証明にはなりませんのでご注意を!!!

③抗体検査

この検査は採血して血液で検査を行います。①②との大きな違いですね。

ウイルスに感染すると抗体という物質が産生されますが、それを検出する検査です。

解釈の仕方も①②と大きく異なります。

抗体が産生されるまでに感染後2~3週間かかるため現在感染しているかを早期に判断するのには使えないと言われています。

軽症の方でしたら2~3週間経っていれば治癒していることがほとんどですので。

【まとめ】

以上まとめますと、現時点で一般診療所で施行できる意義のある新型コロナウイルス感染症の検査は、

唾液によるPCR検査、鼻腔ぬぐい液による抗原検査の2択!!!

ということになります。

やはりPCR検査は時間がかかってしまうため、感染拡大を防ぐには早期に結果のでる抗原検査が有用な気がします。

現在当院では唾液によるPCR検査を、発熱症状があり医師が必要と判断した場合に、発熱患者さん専用の屋外診察室で発熱対応の時間帯にのみ行っております。

屋外ですので、冬場はかなり寒いです。厚着をしてお越し下さい。

抗原検査のキットが改良され、感度が上昇し、唾液で検査が施行出来るようになれば、感染者を早期に診断でき感染拡大防止が大きく進歩するのではないかと個人的には大変期待しております。

以上、新型コロナウイルス感染症の検査について書いてみました。

今後、技術の進歩により上記記載内容は古い情報となり得ますので、その点だけご注意ください。

2020年11月19日

監修・文責 日本内科学会総合内科専門医 舟木 準

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