こんにちは。院長の舟木です。
目次
今回は、下痢について書いてみようと思います。
下痢はその原因からは
①吸収障害型の下痢 ②分泌亢進による下痢 ③消化管運動の異常による下痢
の三つに分けられます。
また、その持続期間からは
Ⅰ.急性下痢 Ⅱ.慢性下痢
に分けられます。
ここでは、急性下痢と慢性下痢の分け方で記事を書いてみようと思います。
急性下痢は身近な原因で引き起こされていることがある!
急性の下痢は、私たちが日々身近に摂取している食材で引き起こされている事があるのです。
その一例を以下に挙げてみます。
- サバ
- 果物に含まれる果糖
- ガムに含まれるソルビトールやキシリトール
- アルコール
特にアルコールによる下痢は腹痛を感じにくく、1日3~5回ぐらい下痢となる事が特徴で、多量飲酒者の30~60%にみられる、よくある下痢症の一つです。
上記食材を摂取した後に下痢になる方は、摂取を避けることで症状は改善するでしょう。
慢性下痢は日々の内服薬やストレスが原因のことが稀でない!
慢性下痢は下痢の持続期間が3~4週間を越える下痢で、注意が必要なのは、他の病気で内服している薬剤が原因で下痢を起こすことが稀で無いという点です。
以下の薬剤を内服してから下痢となった方は担当医に相談してみましょう。
- 非ステロイド性抗炎症薬(ロキソニン、有名な痛み止めです)
- プロトンポンプ阻害剤(タケプロン=ランソプラゾール、胃潰瘍や逆流性食道炎症の薬)
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(血圧の薬、よく使われている)
- ウルソデオキシコール酸(ウルソ、肝臓病や胆石で処方される)
上記の薬剤は、我々としても使用頻度の高い重要な薬剤ですので、少々の下痢であれば継続せざるを得ないこともありますので、判断が難しい事が多いです。
また、診療の現場で多い慢性下痢として過敏性腸症候群の下痢型があります!
過敏性腸症候群とは、大腸に異常がないにも関わらず便秘・下痢・腹痛などの症状が出現する病気で、ストレスにより腸管の動きや機能が失調することにより起こります。
テスト前にお腹が痛くなって下痢したことはありませんか?これも一種の腸管の動きや機能の失調と言えます。
治療としては、ストレスを回避すること、腸管の動きや水分量を調節するお薬を使用することで症状が軽減することがあります。
上記のような症状でお困りの方は、当院にご相談下さい。
監修・文責 日本消化器病学会 専門医 舟木 準