更年期障害といえば、それは50歳前後から始まる女性の様々な体調不良が一般的でしたが、近年の研究により男性にも更年期障害があることが解ってきました。
加齢とともに男性ホルモン(アンドロゲン)の一つであるテストステロンが減少してきます。
それにより、様々な症状が出現すると言われています。
症状は女性の更年期障害と類似していますが、中には男性特有の症状もあります。
以下に、男性更年期障害の症状を挙げておきます。
①精神・心理症状:落胆、抑うつ、苛立ち、不安、神経過敏、生気消失、疲労感
②身体症状:骨・関節・筋肉関連症状、発汗、ほてり、睡眠障害、記憶・集中力低下、肉体的消耗感
③性機能関連症状:性欲低下、勃起障害、射精感の減退
上記の症状は男性更年期障害に特有の症状ではなく、うつ病などの精神疾患、甲状腺疾患、泌尿器疾患でも見られますので、複数科の診療科が関わって治療することが多いです。
上記の症状があり、血中遊離テストステロンという男性ホルモンの値が低い方は、LOH症候群(ロー症候群)と診断され、男性ホルモン補充療法を行うこともあります。
男性ホルモン補充療法は注射剤や外用薬を使用しますが、前立腺癌のリスクを上昇させる等の問題点もり、利益・不利益を考慮の上、治療を行います。よって、前立腺癌の診断・治療に精通した泌尿器科専門医が治療を担当することが多いです。
上記症状でお悩みの方は上記治療を行っている泌尿器科専門医にご相談下さい。
監修・文責 日本内科学会総合内科専門医 舟木 準