PET-CT検査は、がんを検査する方法の一つです。巷ではペット、ペットと言われています。
「PET」とは「陽電子放射断層撮影」という意味で、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略です。
PETはマッチ棒の先ぐらいの大きさのがんを全身に渡り検索できる!という触れ込みで脚光を浴びましたが、実際のところ、メリットデメリットがありまして、以下に簡単にご説明させていただきます。
まず、大前提として、がんを見つけるといよりも、正確には糖分の消費が多い場所に特殊な薬剤で目印を付けるというのが実際のところです。
特殊なお薬というのは、FDGといいまして糖分に近い物質です。注射で体内に投与し、腎臓から排泄されます。
がんは糖分を異常に取り込んでどんどん成長しますので、FDGががんに集まり、写真をとるとその部分が光ってうつります。
よって、結果的にがんを見つけることになります。
以上より、まとめますと
〈メリット〉
1回の検査で、一部を除く全身の癌を検索できる!
光り具合でがんなのか良性なのかの判断が可能である!(良性ならそんなに糖分を取り込まないから)
〈デメリット〉
・保険適応となる条件に制約があり、検査費用が高い。自費で受けると10万円ぐらいします。
・糖分の消費が多い臓器は正常でも光るので、癌があるのか無いのかわからない。例えば脳がそうです。
・腎臓を含む泌尿器系臓器はFDGが排泄されますので光ります。よって癌があるのかどうか解りません。
・大腸も蠕動の影響でよく光るのですが、がんがないことも多々あります。(疑陽性)
と、デメリットを多く挙げましたが、がんの診断に非常に有効であることは間違いありません。
今の医療制度では、いきなりPETをするんではなく、まずは内視鏡検査やエコー、CTなどの検査を行い、補助的にPET検査を行うのが通例です。
内視鏡検査はマッチ棒の先とは言わず、もっと小さい病変でも見つけることができます。
早期にがんを発見するには、内視鏡検査をお勧めいたします。