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帯状疱疹とヘルペスはどう違うのか?

こんばんは。院長の舟木です。

このところ、帯状疱疹がマスコミの報道などで注目されており、当院でも帯状疱疹のワクチンの相談が増えています。今回は混同しやすい、帯状疱疹とヘルペス(正式には単純ヘルペス)についてご説明いたします。これらは、全く別の病気であり、治療方法や予防方法もことなりますので注意が必要です。

目次

帯状疱疹と単純ヘルペスの違いは?

ます以下の表を御覧ください。

帯状疱疹
単純ヘルペス
原因ウイルス水痘ウイルス単純ヘルペスウイルス
ワクチンありなし
治療薬の使用量大量少量
水疱の分布身体の左右どちらか半分に帯状左右問わず斑状
痛み強いズキズキした痛み軽度のピリピリした痛み
後遺症神経痛、神経麻痺なし
再発一度発症すると10年ぐらいは再発しない疲労時に再発し易い
重症化あり殆どなし
感染力あり(殆どの人は既感染orワクチン済)あり(殆どの人は感染済)
帯状疱疹と単純ヘルペスの違い

どちらも痛みを伴う水疱形成の皮疹がでる病気ですので混同しやすいのですが、原因となるウイルスが異なりますし、症状の重症度がかなり違います。

帯状疱疹の痛みはかなりひどいです。あまりの痛みに病院を受診せずに済む人は殆どいません。また、軽症であったとしても痛みは平均1ヶ月は持続します。それに対し単純ヘルペスは病院を受診しなくても市販の薬を塗ったりして治った経験のある方は多いのではないでしょうか?

治療は?

治療に関しては使用する薬は同じ薬(バラシクロビルという抗ウイルス薬)を使用します。ただし、使用する薬の量が全然違います。どのぐらい違うかといいますと、帯状疱疹のほうが3倍も多い量を使用します。バラシクロビルはジェネリックが発売されています。

また、最近は帯状疱疹にのみ適応がある新しい内服薬(アメナリーフ)も出ています。新しい薬でありジェネリックが出ていない、かつ、抗ウイルス薬(抗ウイルス薬は基本、薬価がかなり高い!!)のたお薬代はかなり高くなります。当院ではどちらの薬も在庫していますが、そういった理由から重症で後遺症が残るかもしれない方、腎機能が悪い方にアメナリーフを処方しています。

治療は早期に開始したほうが良いのですが、帯状疱疹と診断するには特徴的な皮疹を確認しなければいけません。皮疹が出る前に神経痛が出現するのですが、痛みだけでは診断が困難です。

治療を適切に行っても一定の頻度で神経痛が頑固に残ってしまう事があります。そういった方はペインクリニック(痛みの専門科)をご紹介することもあります。

帯状疱疹のワクチンの最新情報

単純ヘルペスにワクチンはありませんが、帯状疱疹にはワクチンがあります。帯状疱疹のワクチンは最近新しいワクチンが追加となり、2種類から選択できるようになりました。対象者はいずれも50歳以上です。水痘ワクチンは生ワクチンですので、妊婦さんや免疫不全の方(免疫抑制の薬を内服中の方)は接種出来ません。

以下の表で帯状疱疹のワクチンを比較してみましょう。

シングリックス水痘ワクチン
接種回数2回(2ヶ月間隔)1回
注射部位筋肉注射皮下注射
ワクチンの種類不活化ワクチン生ワクチン
有効期間10年以上5年
発症予防効果95%51%
神経痛予防効果89%67%
接種費用(税込)42,000円(21,000×2回)8,000円
帯状疱疹ワクチンの比較

まとめ

以上、単純ヘルペスと帯状疱疹の違いについて書いてみました。

帯状疱疹は発症すると辛い病気ですが、ワクチンである程度予防できますので、50歳以上の方は検討されてはいかがでしょうか?

当院では、シングリックス、水痘ワクチンどちらの接種も行っております。(要事前予約)

監修・文責  日本内科学会 総合内科専門医 舟木 準

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