円形脱毛症の原因はストレス以外にもある?
円形脱毛症は、古くからストレスが原因であると当たり前のように言われてきました。はたしてそうなのでしょうか?現在ではストレスは引き金の一つであるだけで、ストレスもなく発症することが多々ある自己免疫性疾患であることがわかっています。
円形脱毛症は毛包組織に対する自己免疫性疾患ということがわかっています。遺伝子的な要因を背景にして、精神的、肉体的ストレスや感染症(新型コロナ肺炎でも起こるということです)をお引き金として毛根組織に対する自己免疫反応がおこることにより発症します。
円形脱毛症の20%以上の方にアトピー性皮膚炎の合併が見られることも注意すべき点です。
円形脱毛症の種類は?
円形脱毛症は、
- 通常型(単発型、多発型)
- 全頭型:頭部全体の円形脱毛症
- 汎発型:その他の体毛に至る脱毛症
- 蛇行型:生え際の帯状の脱毛症
に分類されます。
一般的に単発型の3分の2は1年以内に治りますが逆に3分の1は慢性化してしまいます。
慢性化した患者さんの半数が寛解と再発を繰り返し、30%の方が全頭型に移行、15%の方が汎発型にまで移行するとされています。
全頭型、汎発型になると非常に難治性です。
最近の流れでは、円形脱毛症ですね、勝手に治るので様子を見ましょう!というのではなく、早期から治療介入を行うのが良いとされています。
円形脱毛症の治療は?
円形脱毛症の治療は非常多岐にわたります。
- ステロイドの外用、局所注射、内服、点滴によるステロイドパルス療法
- 局所免疫療法
- 抗ヒスタミン薬内服
- セファランチン内服
- 紫外線療法
- ドライアイス療法 等々
日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版では推奨度B(行うよう勧める)を獲得しているのは、ステロイド局所注射、局所免疫療法、ステロイド外用療法のみです。ちなみに推奨度A(行うよう強く勧める)は一つもありません。治療法が一定しないのは、この疾患の治療の難しさを物語っているのではないでしょうか。
ふなきクリニックでは、ステロイドの外用、カルプロニウム塩化物水和物の外用による治療をおこなっております 。
円形脱毛症の写真は駅前AGAクリニック(https://e-aga.jp/)からお借りしました、円形脱毛症の専門治療を行っているクリニックです。難治性の場合は駅前AGAクリニック京都烏丸院をご紹介しています。
監修・文責 日本内科学会総合内科専門医 舟木 準