こんにちは。消化器病学会専門医の舟木です。
新しい便秘治療薬が使用できるようになりました!
最近新しい便秘治療薬が次々と発売され、便秘治療の選択肢が急速に広まってきています。
今日は、新しい便秘薬についてお話いたします。
①ルビプロストン(アミティーザ)、1日薬価 61.5~246円
②リナクロチド(リンゼス)、1日薬価 89.9円~179.8円
③エロビキシバット(グーフィス)、1日薬価 105.8~317.4円
④ポリエチレングリコール製剤(モビコール)、83.9~503.4円
⑤ラクツロース(ラグノスゼリー)、48.15~288.6円
が便秘症に使用できるようになりました。薬価は最低剤型最小量~最大投与量で算出。
これらのお薬は、刺激性下剤と異なり耐性や腸管を痛めることがほとんどないと考えられておりますので今後の便秘の治療薬の中心となることでしょう。
それぞれ作用機序や副作用が異なるため、患者さんによって使い分ける必要があります。
これまでは酸化マグネシウム(1日薬価 5.6~33.6円!!マグミット錠330mgで算出)が便秘治療の王道でした。酸化マグネシウムは腎機能の悪い患者さんへの継続投与で高マグネシウム血症を起こすことがあるものの、圧倒的に薬価が安いため上記の新しいお薬が余程良くない限り、酸化マグネシウムが便秘治療の中心となることに変わりはないでしょう。
ブリストルスケールを知っておいて下さい!
ブリストルスケールとは、便の硬さや性状を客観的に判断するツールです。
以下の画像をご覧いただき、ご自分の便が1~7のどの状態なのかを日記などに記録し、診察時にお伝え頂くとお薬の調整がし易くなりますので是非知っておいて下さい。
便秘の治療では上記のブリストルスケールで4ないし5を目指しますが、現時点で酸化マグネシウムで高マグネシウム血症を起こさずに排便コントロールが上手くいっている患者さんはそのまま継続で良いのではないかと考えています。
酸化マグネシウムによる治療で便秘症状が改善しない患者さんには、これらの新しいお薬に変更したり、追加することで治療がうまくいくことが期待されます。
便秘でお困りの患者さんは、当院へお気軽にご相談ください。
監修・文責 日本消化器病学会 専門医 舟木 準