先日、若手医師が勉強のために読む月刊誌を読んだのですが、興味深い特集がありました。
多剤服薬(ポリファーマシー)についてでした。
ポリファーマシーはポリ(poly)+ファーマシー(pharmacy)の造語で、要は多剤服薬の事です。
一般的には5種類以上の薬を飲んでいれば、多剤服薬(ポリファーマシー)になります。
で、この多剤服薬ですが、多数の病気を併発されている患者さんでは致し方ないケースが多いです。
ただ、薬というのは、副作用、薬同士の相互作用がありますし、副作用を抑えるためにさらに加薬となれば、
ますます薬が増えてしまい、医師としては悩ましい問題です。
よくあるケースですと以下のパターンがあります。
①膝が痛くて、痛み止め(NSAIDs)を内服→血圧が上昇→高圧薬が追加
②原因不明の吐き気、食欲不振で吐き気止め(ドーパミン受容体遮断薬)を内服→手が震えだす→パーキンソン病治療薬が追加
③物忘れが出てきて抗認知症薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)を内服→尿失禁が出現→排尿障害治療薬が追加
こういった例は挙げればキリがありません。
「薬を止めることで病状が増悪したらどうしよう!」という不安が伴いますが、どうしても必要な薬以外を勇気をもって止めていくという事も、治療においては大事なことであると再確認できました。
多剤服薬されている患者さんにおかれましては、今一度、主治医に止めれる薬が無いか相談されてみてはいかがでしょうか?