便秘のお話も今回で3回目ですね。
今回は便秘の原因についてご説明いたします。
便秘の原因は以下の通りです。
①便秘になりやすい食生活をしている
食物繊維の摂取が少ない、水分の摂取が少ない(旅行先でよく便秘になる方はこのタイプですね。)
②大腸が長い
私は大腸内視鏡検査をしている時に、腸の長い患者さんにはもれなく「普段便秘ですか?」とお尋ねしております。印象的に大腸の長い患者さんの8割ぐらいの方が、便秘ですと仰います。
③腸の動きが悪い
腸の動きが悪い、いわゆる、弛緩(しかん)性便秘の方が増えている印象があります。
当院の場合は便秘を訴える患者さんのうち、半分くらいがこの疾患です。
腸管の神経が麻痺して便を認識しなくなり、便があるけど腸が動かずに便が停滞し、時間が経つと発酵してガスが発生することで腹部膨満感が起こる…という症状です。長期にわたって刺激性下剤(詳しくは、便秘のお薬の話をご参照ください)を服用した副作用として発症している方が多いです。
治療法としては、食事療法はあまり効果がなく、腸が動くような薬剤を複合して処方します。
④腸が癒着している
開腹手術をされた方は癒着が必発です。癒着とは自由に動けていた腸がお腹の壁に引っ付いて自由に動けなくなった状態で、不自然なカーブで腸管が固定されてしまっていることもあります。
こういった患者さんは餅や線維質な食事をよく噛まずに飲み込まれた際に腸閉塞(イレウス)を起こすことがあります。
⑤腸が閉塞しかけている
進行大腸がんによる狭窄や、大腸憩室炎や虚血性腸炎など大腸の炎症が高度であったり、繰り返した結果、大腸が閉塞しかけてしまうことがあります。
以上、便秘の原因についてでした。
便秘でお困りの方は当院へお気軽にご相談ください。