2019年7月530日アップデート
※追記と関連記事(青文字をクリック)へのジャンプが可能となりました!
【プロバイオティクスとは?】
“私たちの健康を守るため、腸で有益な作用を発揮する微生物を含む製品 -医薬品、健康食品、動物用混合飼料など”の事を、プロバイオティクスといいます。
プロバイオティクスに使用される菌には
乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌、糖化菌、納豆菌、酵母菌があります。
ミヤBMはその中の酪酸菌製剤です。
【酪酸菌の特徴とは?】
酪酸菌とは長年医薬品又は飼料として使われてきた微生物です。安全性についても確立されています。酪酸菌は増殖の際に酪酸・酢酸・プロピオン酸などの有機酸を作る腐敗防止細菌です。
酪酸菌は100℃にも耐えうる胞子(芽胞)を形成し増殖が出来ない場所、例えば強酸・強アルカリ、或いは乾燥条件下にて活動を停止(休眠)し、環境が良くなると改めて生育を開始します。
そのため経口摂取した場合、胃内で胃酸により失活せず、動物の腸内に生きたまま届くことができます。
日本人の胃酸分泌量は近年急速に増加(これは除菌療法などによりピロリ菌の感染率が低下しているためです)してきておりますので、他の整腸剤の効果がイマイチの方はミヤBMが良く効くかもしれませんね。
また、腸内は本来酸性であるはずなのですが、腸の状態が悪いとアルカリ性に傾く事があります。そういった状況において、酪酸菌は腸内のpH(ペーハー)のバランスを整える効果も期待されています。
【便秘治療におけるミヤBMの位置づけは?】
ちなみに、慢性便秘症の治療ガイドラインにおいて、プロバイオティクスは推奨度2、エビデンスレベルBとなっており、腸を刺激してぜん動運動を促進するため、排便回数を増加させるとされております。
よって、便秘の治療にも用いられます。慢性便秘症でプロバイオティクスを使用する際には、細菌のえさになるオリゴ糖や食物線維と一緒に摂取すると効果が出やすいと言われています。
慢性便秘症に対してプロバイオティクスを用いた研究は多数行われておりますが、
①プロバイオティクスが腹部症状を悪化させる事無く、排便回数を増やす
②プロバイオティクスが便の形状を改善させる
③プロバイオティクスが残便感や不快感、肛門の不快感や痛みなどの自覚症状を改善させる
といった報告もなされています。
もちろん、プロバイオティクスが万能であるわけではなく、慢性便秘症の治療の一つの手段であるとということに変わりは有りません。
よって、私見ですが数日使用してみて症状が改善すれば継続するというスタンスが良いのではと考えております。
【当院は便秘治療に力を入れています!!】
京都市西京区のふなきクリニックでは院内処方でミヤBM錠を採用しております。
腸の弱い方・便秘でお困りの方はお気軽にご相談ください。
また、排便異常のある方は大腸にがんや炎症があることがあります。大腸内視鏡検査を受けていただくことで、大腸の病気を見つけることができます。大腸内視鏡については当院の内視鏡のページをご参照ください。
腸内には多数の細菌が集落を作って存在しています。その集落を合わせて「腸内フローラ」と呼びます。
腸内フローラはプロバイオティクスの摂取や抗生剤の使用により日々入れ替わっていきます。
抗生剤を長期で使用すると下痢をすることがありますが、これは腸内フローラに変化が起こるために生じる訳ですね。
腸内フローラについては、別ページをご参照下さい。
《2019年7月30日更新追記》
酪酸菌が酸性する酪酸について、最近の研究で以下の利点が指摘されています。
- 酪酸は腸管上皮で粘液の成分であるムチンの合成を促進するため、腸管バリア機能を改善する効果がある。腸管バリア機能の破綻は近年Leaky Gutと呼ばれ、様々な病気の発症と関連していると言われている。
- 制御性T細胞(T-reg)の分化を誘導する。よって、アレルギー疾患が改善する可能性がある。